同窓会で古い学友に会って何すんの？

中高年の同窓会が静かなブームの中、阪神大震災（１９９５年）で被災した地域では、卒業アルバムの紛失や引っ越しなどで、連絡が取れず開催に苦労しているケースが多い。
神戸市最大の火災被害に遭った長田区にある市立蓮池小学校を卒業した島谷（旧姓・水上）千代子さん（６３）＝同市垂水区＝も半世紀ぶりに開こうと、同級生を捜しているが難航。
それでも「人生の原点に戻りたい」との思いが強く、友人と地道に情報を集めている。【岡奈津希】

　長田区は震災で火災が多数発生、計９１９人が亡くなった。ただ、蓮池小は壁にひびが入るなどの被害にとどまり、避難場所に。島谷さんは２３歳で結婚。垂水区で夫と製麺所を営み、
震災当時、同区の自宅で就寝中だった。長田区の実家は全壊し、小学校時代の卒業アルバムや文集、多くの写真を失った。

　同窓会を計画しているのは６２年度卒業生で６年１組の同級生。担任教諭は故・竹内安彦さん。９月２２日を予定し、集まれば高校１年の時以来という。

　インターネットの会員制交流サイトを活用したり、名簿を持っていた長田区の同級生がそれをもとに一軒一軒訪ねるなどしたが、現在、約５０人中約１０人と２割ほどの人にしか、連絡が取れていない。

　同窓会の幹事代行会社で、年間３００?４００件を扱う「同窓会ネット」（大阪市）の伊丹正人社長は「阪神大震災の被災地域の人から依頼はあるが、震災で名簿がないケースが結構ある。
ネットを活用するなど粘り強く情報を集めて実現してほしい」と話す。

　島谷さんは２００５年、８歳上の姉を胃がんで亡くした。「いい人生だった」とほほ笑んでいた姉を見て、「人生の最終章をどう生きようかと考えたら、原点に戻りたいという気持ちが大きくなった。
昔話をしながら、人生を語り合いたい」と話している。問い合わせは島谷さん（０７８・７０９・２３０４）。

http://mainichi.jp/select/news/20130623mog00m040011000c.html