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親父が死んで思う事

雑談    |    コメント(0)    |      |
1: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 10:37:39.98 ID:YHxBoU9X0

俺の親父は去年 闘病の末 他界した

一周忌を迎え ようやく実感がわいてきた

親父を思い出しながら、おれの人生を振り返りたい


特にオチもないしつまんない話だけどここお借りしていいですか



雑談



引用元: 親父が死んで思う事
http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1379468259/

2: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 10:43:14.88 ID:YHxBoU9X0

人いないから勝手に書かせてもらいます

親父の最期の言葉は
「じゃあ逝くぞ・・」だった

なんとも親父らしい言葉だった




親父は俺が物心ついた頃から小さな印刷工場を営んでいた

いつも帰りが遅くて、朝は早く出かける
平日はほとんど顔を合わす事などなかった

俺が幼稚園の頃に住んでいた家はボロボロの長屋だった

当時はボロボロだなんて思わなかったが、今 写真で振り返ると
相当なもんだ

母に聞いた話によると6畳と2畳あるかないかの
ダイニングキッチン(と言えば聞こえはいいが)の1DK
そこに親父、母、俺、妹 4人家族で生活していた

リビング兼寝室だから布団をいっぱいいっぱい敷き詰めて
雑魚寝状態だった気がする


3: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 10:45:56.02 ID:sz5JFo+S0

親父いないから興味ある
続けてくれ


4: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 10:46:45.13 ID:YHxBoU9X0

親父は俺が寝たあとに帰ってきて晩酌してた

帰りが何時頃なのかははっきり判らないんだけど
恐らく俺たちは毎日夜8時ごろには寝てたはずだから
9時以降かもっと遅いか

毎日毎日 母は親父の帰りを待って一緒に夕食を摂っていた

親父は絵に描いたような亭主関白で、子供ながらに母を心配するほどだった

親父の母に対する罵声や怒号が定期便のように鳴り響く

俺は日々それに怯えながら寝たふりをしていた

母のすすり泣く声も何度も聞いた

でも翌朝になれば何事もなかったように母は明るく振る舞う

俺はこんな優しい母を苛める親父が嫌いだった

かといって母を助けてあげる事も出来ず、むしろ俺は親父を恐れていた


5: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 10:50:03.57 ID:YHxBoU9X0

あ、見てくれてる。遅いけどごめんね


俺は幼少時代から自分を殺して過ごしてきた

その反動なのか小学校に上がってからは不良に憧れちょっとづつ
悪さをするようになっていた

ある日よその学校に生意気な奴がいると聞いて、そいつを待ち伏せして
ボコボコにした事があった

当然次の日、その相手と母親が学校にやってきた

先生が「昨日の事知ってる人がいれば出てこい」って言うもんだから
俺は知らんぷりしようとした

でも俺は友達に武勇伝を語った後だから、みんな俺を見たんだ

観念した俺はふてぶてしく教室を出てった

自分に酔ってたのか(俺、不良みたいでカッコよくね?)
って内心わくわくしてたな


6: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 10:50:41.69 ID:YxnVOUM/0

続けたまえ


7: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 10:53:41.69 ID:ft5tP6r60

>>1
親父さんは胆管がんで死んだのか?
印刷工場の化学薬品やばすぎる


8: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 10:54:31.14 ID:YHxBoU9X0

応接室みたいなところに通されると、顔を腫らした昨日の子と
その母親が物凄い剣幕で怒鳴ってきた

教頭が「この生徒で間違いないでしょうか?」とその子に尋ねる

「こいつだよ!!こいつっ・・」
と同時にその母親から強烈なビンタが飛んできた

ようやく事の重大さに気付いた
と同時に泣いてしまった
反省からではなく緊張が高まって泣いた

「親を呼んでください」
母親は息遣い荒い声で教頭に詰め寄った

俺は母に悲しい思いをさせてしまうとそれを拒んだ

自分勝手にも限度がある

教頭と被害者さんがなんか話してるときも
アホな俺はどんな言い訳しようかなとか考えてた


9: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 10:55:41.71 ID:YHxBoU9X0

>>7
肺がんスタートの全身転移


10: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 10:59:36.89 ID:YHxBoU9X0

廊下から誰か走ってくる音が聞こえる

応接室のドアがノックもなしで勢いよく開けられた

え?!
親父?!
え?!

次の瞬間
目にも止まらぬスピードで拳が飛んできた
立て続けに感じる衝撃に俺はいったい何が起きているのかわからなかった

どれくらい殴られたんだろう

教頭が止めなかったら死んでたんじゃないかな

親父はすぐさま土下座し
「うちのバカ息子がやった事は全て私の責任です!申し訳ございません!」
「必ず被害者さんの納得いく形で責任を取らせて頂きます!申し訳ございません!」

俺は朦朧とした意識の中でそのシーンをただボーっと見ていた


11: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:03:38.21 ID:YHxBoU9X0

遅れて母親が応接室のドアを開けた
母親は親父の隣で更に深い土下座をした

俺はもう気が狂いそうなぐらい大きな声で泣いた

何を思っていたのかあまり記憶にないが、わざと大きな声で泣いた気がする
泣きながら「ごめんなさい」を連発した

被害者の母親は何も事を荒立てることはしない、もうその謝罪で充分ですと
言ってくれた

幸い被害者の子は顔がちょっと切れて腫れただけで済んだ
だから治療費も結構ですと言われた

被害者の方が帰る間際に、俺に向かって
「痛まない?大丈夫?
良いご両親だね、あなたもきっといい子になるよ」
と言ってくれた


12: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:04:44.58 ID:MTjn2eb40

見てるよ続けてくれ


13: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:05:43.82 ID:YHxBoU9X0

被害者さんを見送ったあと再び応接室へ戻された
親父と母は次は教頭に土下座した

親父はそのあとまた俺の頭を殴った
「お前は自分がした事わかってるのか!」

なんか無性に腹がたった アホだからな

俺は初めて親父に逆らった

「親父はいつもかーちゃん苛めてるじゃねーか!!
男のくせに女を苛めてる奴に言われたかねーよ!!」

「な、なんだと?!!」

また殴ろうとする親父の横から
なんと母のビンタが飛んできた

「あんた!とーちゃんになんて口のきき方してるの!!
謝りなさい!!」

俺にはもう抵抗する力は無かった
口の中から苦い液体がどんどん溢れてきてた
手で拭くまで血だと気付かなかった


14: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:07:39.74 ID:YHxBoU9X0

学校を早退させられた俺は母と一緒に帰る事になった

親父はまた工場に向かった

俺と母は帰り道にある公園に寄った
母がハンカチを差し出し
「顔洗ってきなさい、ここで待ってるから」

トイレの鏡をみてビックリした
目尻は切れ、唇は腫れあがり、血だらけになってた
これでも親父は加減したんだと思う
ちなみに当時の親父のスペックは185センチ110キロ
プロレスラー並の筋肉の持ち主だ


15: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:11:22.16 ID:YxnVOUM/0

おもしろい


16: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:12:07.78 ID:MTjn2eb40

次はよ!待ちきれんわ!


17: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:12:35.06 ID:YHxBoU9X0

母が公園のベンチで話そうと言ってきた
俺はまず母に今日の事を謝った
母は
「今日の夕方にもう一回一緒に被害者さんに謝りに行こうね」と言った
俺は素直に頷いた

「それとこれからは絶対 他人様に迷惑かけないって約束しなさい」
「もうひとつ、とーちゃんに対して生意気な口たたかない、わかった?」

「うん、わかった・・」

俺は少し気になる事を聞いてみた
「今日なんで親父来たの?」

「何言ってんの?当り前でしょ?他人様に迷惑かけたのが息子なんだから」
「なんで?来ると思わなかったの?」

「うん・・仕事あるし・・てか興味なさそうだし」

「息子に興味がない親がいると思う?
バカだね、とーちゃんは家に帰るといつもアンタと妹の事ばかり聞いてくるよ。
確かに古風で頑固者だけどね。それと・・とーちゃんは私の事いじめてなんかないわよ。」

さっき俺が口走った事を思い出してハッとした

「とーちゃんとかーちゃんはアンタ達が全てなの。アンタ達がいるからお仕事も
頑張ってる。
たまにケンカするのはほとんど私が悪いの。
アンタに言うのも変だけど私はとーちゃん尊敬してるよ。」

母の話は小学生の俺に衝撃を与えた


18: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:14:18.81 ID:sz5JFo+S0

なんだよ読ませるじゃねーか
涙腺緩いから早くもヤバイんだが?


19: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:15:52.21 ID:YHxBoU9X0

みんなレスくれてありがとう
勢いで書いて あとでなるべく返します


今まで心のなかで軽蔑してた親父・・
きっと母も親父を嫌ってると思い込んでた
仕事人間で家庭に興味がないと思い込んでた

俺と母は夕方に被害者さん宅へと向かった
いつの間に買ったのか、母はお菓子らしきものを持っていた

今度は俺 自らの意思でしっかりお詫びした
被害者の子は笑って許してくれた
今度遊ぼうぜって言ってくれた(俺が言ったかもしれん。このへん小学生・・)
そいつは今もずっと友達だ


20: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:18:36.22 ID:+ug/kJJBI

今北産業


22: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:22:45.86 ID:MTjn2eb40

>>20
1がヤンキーかぶれになり
亭主関白のオヤジに説教されるも
実はオヤジめっちゃ子供思い


21: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:21:04.19 ID:YHxBoU9X0

俺が小学校を卒業する頃には親父の仕事も軌道に乗ってきたみたいで
プレハブみたいなオンボロ工場からある日突然 新社屋が完成していた

普段まったく親父の会社など行くことがなかったが
新社屋完成記念パーティーをするとの事で参加した

たくさんの人たちがいる中、親父のスピーチで唯一覚えてるフレーズが
「いずれ息子がここを継いでくれると信じて ・・」

俺は漠然と(あー大人になったら親父の後を継ぐのかぁ)と思った
そしてそれが当たり前の事だと子供ながらに思っていた

俺は順調に中学生になり(当たり前だが)妹も小学校高学年にあがった頃
妹が突然「自分の部屋が欲しい」と駄々をこねだした

俺は単純に「馬鹿じゃねーの?部屋一個しかねーのに自分の部屋もへったくれも
ねーだろ。」と思ったが、なにやら母がニヤニヤしながら近づいてきた

「ジャ―ーーン!!」
母がテーブルに置いた図面等を見てすぐに理解した

「マジで?! 家建てるの?!私の部屋ある?!」
妹のキラキラした顔がウザかった

既に家は建設中らしく、母が「ちょっと見に行く?」と言ったが
俺は行かないと返事した


26: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:30:52.13 ID:YHxBoU9X0

新居に興味がないと言えばウソだった

家族には内緒で
学校帰りに何度も建設中の家の前を通っては胸を躍らせていた

そこは今も母親が住んでる俺の実家だが
立派な家だ

当時の俺はどれ程の価値があるのかは見当もつかなかったが、
今思うと親父すげーなって関心するよ

仕事ばっかしてたもんな

家族全員で遊びに行った事も片手で数えれる程度だし
俺の記憶では日曜日すら親父と顔を合わさなかった


28: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:33:55.06 ID:YHxBoU9X0

俺は自分の部屋を与えてもらった

余計に親父と顔を会わせなくなったせいか自分の好き勝手な生活をするようになった

学校にはちゃんと行っていたが、夜遊びやタバコ、酒を覚えたのもこの頃だった
家に友人を招いては酒盛りをした

母に注意されては反抗した
いわゆる反抗期の到来だ

決して母に暴力など振るわなかったが、俺は当時中3で180センチ80キロぐらい
あったからかなり威圧的であったことは確かだ


29: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:38:50.63 ID:YHxBoU9X0

それをいいことにやりたい放題やってた
そんな俺だから当然また問題起こすよな

俺らの時代の中学生ってビーバップハイスクール全盛期だから
常にトラブルは付きもんだった

何人かでツルめば必ずと言っていいほど絡まれる
目が合っただの肩が触れただのでさ

俺は根性はないんだけど体だけデカイから目立つんだよね
親父に怒られるからケンカなんかしたくないんだけど
幼いころから空手を習ってたせいで仲間が俺を挑発するんだよ

で仲間が勝手にケンカを始めてしまう
もうみんながヒートアップしたら止めようがないんだ

ある時こんなケンカで俺の仲間が鼻と顎を折られて
病院送りになった


30: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:43:53.02 ID:CIZI8OHj0

同年代かな?


31: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:44:39.57 ID:YHxBoU9X0

当然 警察沙汰になり俺は署に連行された
冷静に話すつもりだったんだけど、署に着くと加害者の子が座ってるのが見えて
無意識のうちに殴りかかってしまってた

警察の人が止めに入ってたんだろうけど振り払って殴った

結局その子の鼻を折ってしまって病院送り

もう最悪の事態だ

俺は傷害となんやらで御用となった
公務執行妨害は免れたようだ

冷静さを取り戻して真っ先に浮かんだのが親父と母だった

また母が悲しむな・・
今度こそ親父に殺されるな・・
迷惑ばっかかけてるな 俺・・


32: !ninja 2013/09/18(水) 11:45:36.56 ID:ZD5zfJ4g0

俺の家族っぽい。
もしかして兄貴?


33: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:47:32.82 ID:YHxBoU9X0

すいません、ランチタイムです
1時間後ぐらいに戻れると思います

>>32
俺 弟いねーぞ


34: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:50:58.65 ID:sz5JFo+S0

俺も飯しよ
続き楽しみにしてるわ


35: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:51:20.36 ID:Ma9yCNhH0

追いついた
待ってるぞ


38: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:55:19.42 ID:YxnVOUM/0

>>1が長男(40前後)なら親父は70歳くらいか
働き者は早死にするな


40: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 11:59:42.34 ID:GrtK/dbO0

追いついた
続き期待


42: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 12:00:24.56 ID:vXWRfubyO

子供に対して手加減なしでボコボコになるまで殴るなんて異常すぎる
マンガの影響抜きに>>1がグレるのも無理ないよ


45: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 12:20:52.07 ID:uqpr47bj0

>>42
当時はそれが当たり前だったんだよな


47: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 12:22:45.27 ID:YxnVOUM/0

>>42
やりすぎな感はあるけど
昭和の頑固親父なんてみんなそんなもんだw
悪いことしたら叩きのめされる


48: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 12:26:07.51 ID:kHi9JwPr0

これを異常と言うのはゆとり


51: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 13:07:39.59 ID:iJgnl+ka0

ゆとりだけどこれで殴られるのは普通かと


52: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 13:13:51.53 ID:YHxBoU9X0

ラーメンうますぎた

>>36 つ線香

>>42
殴られるなんか日常茶飯事だぜ
そんなのグレる理由にはならんよ

当時は悪いことをすれば鉄拳制裁 これ常識


53: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 13:14:59.45 ID:YHxBoU9X0

続けます


署に来た母は泣いていた
親父は頭から煙が見えるくらい沸騰していた

この辺りあんま記憶ないからはしょります

示談で話をつけてもらいました

迎えにきたのは親父一人だった
無言で車に乗り込む親父がとても恐かった

車内の時計は夜の11時を示していた
車は自宅近くのラーメン屋に入る

黙って付いていきテーブルに着く

「なんか注文しろ」

注文を終え沈黙が続く
苦痛以外の何物でもない
親父と二人っきりになるのもこの時が初めてだ


54: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 13:23:12.04 ID:YHxBoU9X0

親父はゆっくりと口を開いた
「お前 将来 会社継げよ。
  そのために何をしたらいいか考えて行動しろ。
いつまでも子供じゃないんだぞ。一回でもいいから将来を想像しろ。」

俺は特に深く考えず「わかった」とだけ返事した

怒られる、殴られると思っていた俺にとっては何故か物足らない親父の
言葉だった

俺の中学生活は卒業式を出る事なく終わった
卒業証書はあとで貰いに行ったけどな

俺は調理師専門学校に行く事が決まっていた
これも親父に決めてもらった道だ

もちろん高校進学を強く勧められたが、頑なに拒んだ

恥ずかしい話だが、勉強などした事なく、常に学年ワースト記録を更新し続けていた


55: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 13:27:44.50 ID:YHxBoU9X0

親父は自分の後を継ぐ前にいろんな社会を見てこいと言った
男は手に職をつけろと
もしうちの会社が倒れても食べていけるように準備しとけって

俺には夢がなかったのかって?
あるわけねーだろ
漠然と金持ちになりてーって思ってたぐらいだ

専門学校も入学金やら諸経費とか学費とか資料代やらで
相当な金額がいるんだよな
親父が全て出してくれる・・・そう思ってた

親父が会社に俺を呼びだして
300万円の借用書にサインさせられた
と言っても手作りの、一筆書いて 月5万円づつ返します的な

親父は
「自分のお金で行くんだから、しっかり学んで来い。
いつかその300万円が2倍3倍になって戻ってくるようにな。」

こうして俺は16歳にして300万円の借金を背負う事になった


56: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 13:33:39.16 ID:YHxBoU9X0

まずはバイト探しだ
専攻はイタリアンだから
どうせならバイトは和食屋さんで勉強したいと思った

でもそんな簡単には見つからない
結局また親父を頼る事になる
親父行きつけの日本料理屋さんでお世話になる事になった

そこの社長と親父がどうやらツーツーらしく
俺の借金の事も全て知っていた

ここに呑みに来ては俺と妹の話をしてたらしい
以外だった

社長は
「お前の親父さんはすげーぞー。1代であれだけ商売成功させてよー、
人脈も半端じゃねーし、誰からも慕われる存在だ。
社員さんもたまに来てくれるんだけどよ、みんな口そろえて
社長を、お前の親父さんを尊敬してるって言うんだぜ。立派なひとだよ。」

俺は仕事してる親父をほとんど見たことがなかった


見てみたい、いつか親父と仕事がしてみたい という思いが芽生え始めた


57: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 13:55:28.74 ID:YHxBoU9X0

親父はそれこそ毎日のようにお店にたくさん人を連れてきて
たくさんお金を使ってた
俺を面倒見てくれているお店に少しでもお金を落とそうとしてたんだろう


そんなこんなで学校、バイトに明け暮れる日々が続いた
もちろんバイト代からキッチリ5万円返してたよ

俺はとうとう学校の全過程を無事修了し
就職先もすんなり決まった

有名ホテルのレストラン

初めて親元を離れ寮生活をする
地元からは車で2時間ほど離れた場所だった
とにかく必死で働いて勉強した
ようやく俺にもささやかな夢ができた

早く一人前のシェフになって家族に料理を振る舞いたい

しかしどこの世界もそんな甘いもんじゃない
何度も挫折を繰り返しては落ち込む日々が続いた


60: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 14:02:14.73 ID:YHxBoU9X0

厨房での毎日が段々と苦痛になっていた
成人前のガキがベテランシェフたちの邪魔にならない訳がない

デカイから邪魔だとか、動きがトロいとか、中卒だからとか、
てめーは向いてないとか
色々言われたが、これも修行の一部だと思って耐えた

なんとか邪魔にならないように仕事しようと思ったのが裏目に出た
どうしても消極的になってしまったんだ

見る人によればサボっているようにも見えなくはなかったのだろう
余計に俺に対する風当たりが強くなった
露骨な嫌がらせが始まった

俺の包丁隠されたり、俺のロッカーにツバをかけられたり・・


67: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 14:10:24.80 ID:YHxBoU9X0

で、とうとうキレちゃった

若気の至りでは済まないが

苛めてた三人のうち一人を呼びだした

「あのー、すいません。ちょっとお話があるんですが・・」

「なんだよ、うっせーなー!!」

「すいません、すぐ済みますんでちょっとだけ来て頂けますか」

ロッカー前に呼び出し
ボディーを中心に数発入れてやったよ

「うう・・ううう・・」

「先輩、もういい加減にしてもらえますか?」

「わ、わかった・・」

意外とあっさり終わった・・・かに見えたが、

案の定、呼び出し→クビ宣告

となった


68: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 14:13:29.33 ID:YHxBoU9X0

夢見た料理人への道があっけなく閉ざされた

当然 寮も出ていかなければならない

俺は実家に帰る勇気がなかった

また同じことを繰り返してしまった
親に合わせる顔がない
俺は友人の家を渡り歩きながらニート生活を送っていた

親には言えなかった
当時、携帯も持っていなかった俺はたまに母に電話し、
レストランで頑張っていると嘘をついた
母が差し入れを送ると言ってきても断った


69: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 14:16:48.45 ID:YHxBoU9X0

ニート生活2カ月ほど経ったある日
地元の友人宅にお邪魔する事にした

夜までの時間つぶしの為
俺は朝からパチンコに熱中していた

記憶ではその時全財産が7万円ぐらいだったと思う
親父への来月の返済分5万を稼ごうという考えだった

軽く3万ほどくれてやった後、夕食のためパチンコ店内にある
ご飯屋に入った
すると
「あれ~、息子さんじゃない?」
とおっさんに声をかけられた


70: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 14:21:19.92 ID:YHxBoU9X0

親父の会社の従業員の人だった
「今日はお店休みなの?」

ニート生活のせいで曜日感覚がまるでなかった俺は
日曜日だという事を知らなかった
知ってたらわざわざ親父の会社近くのパチ屋を選ばない

「クビになったよ。親父には俺から言うから黙ってて。」

「そうか、じゃあウチの会社来いよ!
   俺が立派に親父継げるように鍛えてやるからさ。」

「・・・・・」

「まあ、ゆっくり考えろや。親父はお前のイスをずっと用意してるぜ。
  社員全員 知ってる事だ。」

「そんな訳ねーよ」ぶっきらぼうに答えた
 
俺は内心嬉しかった
と同時に親父がうらやましかった

いい社員さんたちがいて皆慕ってくれて、お金持ちで・・・


71: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 14:23:17.23 ID:YHxBoU9X0

30分ほど落ちます
すいません 


72: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 14:31:59.87 ID:Kb561vWb0

追いついた
見てるぞ


74: 番頭 《ぶりぶり》 !ninja 2013/09/18(水) 14:44:00.47 ID:iKn7ucFQ0

おいついた
ゆとりだけどおれも小さい頃一回だけ殴られたことあるな
親には感謝してる


75: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 14:49:07.97 ID:Ynpc+Jyhi

追いついた!!
保守するぜ


76: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 14:55:52.41 ID:Pzn8WrGM0

待ってるぞ


80: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 16:21:26.82 ID:AxDFZvvh0

面白くなってきたん!


81: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 16:28:52.67 ID:YHxBoU9X0

遅くなってごめん
ちょっと仕事たてこんでた

続きです


俺の目標は親父だ
ずっと認めたくなかったが俺は親父を目標にしていたんだ

俺はパチ屋を出て友人に断りの連絡を入れ実家に戻った
もう全部ぶちまけてやろうと思った

親父は家にいた
母も妹もいた
緊張もあったのか俺は3人の顔をみるなり泣き崩れてしまった

俺は2カ月前にまた暴力でクビになった事、
プラプラしてた事、この先なにも考えてない事を言った

黙って聞いてた親父は
「泣くんじゃねーバカ野郎。
  おめーにしてはよく頑張ったほうじゃねーか。」
横から母が
「寮を出てすぐあなたの上司からお電話頂いたのよ。
  頑張ってたあなたを見捨てて申し訳ないって。双方の言い分を聞かずに
あなたをクビにしてしまったって謝罪してたよ。もう一度来てほしいって。」

「えっ?!えっ?!どういう事?じゃあ知ってたの?」

「知ってたけどとーちゃんが放っておけって言うもんだから。」


82: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 16:32:32.97 ID:YHxBoU9X0

親父はちょっと照れくさそうに
「おめー、それでも借金の返済は忘れなかったよな?
  逃げなかったお前は評価してやろう。
  でもな、もう19歳だろ?
暴力はもうやめておけ。話し合いでケンカできる知識をつけろ」

母が「あなたがそんな事いっていいの?」と言って笑ったが
親父はスルーしてた

親父は8人兄妹の末っ子で生まれ、貧乏な幼少期を送っていた
14歳で田舎から出稼ぎで単身大阪へ行き、東京、名古屋と
職を求め渡り歩いた

親父もまた当時は世間知らずで、俺と同じく学歴もないため
様々な苦労を強いられてきた
暴力事件でクビになった事もあったそうだ
俺が過去の自分と重なったのかも知れない

と言っても置かれた境遇は全然違うが
俺はただのボンボンだ
食べるものに困ったことなど無いからな


83: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 16:36:48.51 ID:YHxBoU9X0

俺は意を決して親父の会社に入れてくれとお願いした
親父は
「ここは家だ、仕事の話は会社で聞く。話があれば会社に来い。」

俺は次の日、安物のスーツを着こなし親父の会社に向かった
事務員の方たちはもう知っているようだった

社長室に入ると親父は汚い作業服のまま豪華なソファーに腰掛けていた

「おう、来たか。ここではわしが社長でお前は従業員だ。わかったな。」

「はい、なんでもします。よろしくお願いします。」

「よし、今日から面倒見てやろう。挨拶してまわれ。」

俺は事務員の方たちと、現場の人たち一人一人に挨拶して回った

ほとんどの方が
「社長から聞いてるよ。一緒に頑張ってください。」
と言ってもらえた

こうして俺は新たなスタートを切ったのだった


84: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 16:40:57.39 ID:YHxBoU9X0

俺にまず与えられた仕事は、現場の雑用と掃除、配達だった

うちは8時出社なんだけど俺は毎日7時には出社した
まず現場の掃除と事務所の掃除、1番必死にしたのが社長室の掃除
いつかは俺がここに座ってやると誓い、ピカピカにした

見てるみんなは(そんな簡単に社長になれるのかよ)
と思うかもしれないが、小さい会社はそんなもんなんだ
ただボンボンと思われてもしょーがない

退社時間は基本17時なんだけど俺はそこから機械の勉強
パチ屋で会ったおっさんが実は部長(実質、会社では当時ナンバー2ぐらいのポジション)
で、毎日遅くまで指導してくれた

おっさんのお陰で2年も経てばそれなりの仕事はこなせるようになった

営業も回らせてもらえるようになり
新規のお客さんもとれるようになった


85: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 16:45:05.90 ID:YHxBoU9X0

本当に今までの仕事の中でも比べ物にならないくらい
仕事にやりがいを感じた

その後も順調に顧客も増やし続け会社の売り上げに貢献できるようになってきた

毎日 営業から帰ってきては現場で夜中まで働いた
俺は当時まだ20代前半の遊びたい盛りだったが、遊んでいる暇が
全くなかった

ある日、会社の飲み会で部長から言われた
「お前、仕事ばっかりして遊びとか全然しらねーだろ?」

セクロスは中3の時付き合っていた彼女と経験済みだったが
所謂大人の遊び方は知らなかった


86: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 16:49:20.75 ID:YHxBoU9X0

「明日、仕事終わってから付き合え。」
部長は俺にそう言ったあと、コソコソ親父に耳打ちしてた

次の日、部長は俺を繁華街へと引っ張っていった
俺はこうして部長とたまに出かけては高級クラブでの遊び方や
接待のしかたなどを教わった
また、休みになれば部長とゴルフに出かけレッスンもしてくれた

部長は俺に仕事のノウハウから遊びまで持ってる全てを教えてくれた

いつしか俺は部長を本当の父のように慕っていた

まさか本当に父親になるとはこの時は知る由もなかった


87: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 16:51:30.96 ID:CIZI8OHj0

えっ?!


89: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 16:54:52.19 ID:YHxBoU9X0

仕事と遊びも一通りマスターしてきた俺は27歳になっていた

いつも通り部長に誘われ高級料亭へと入ると、そこには何とも綺麗で
清楚な感じの女性が待っていた

「紹介しよう。うちの娘だ。」
「初めまして、娘です。」ニコッと笑いながら女性は頭をさげた

「どうも、俺です。いつも
部長さんにお世話になってます。」

このシチュエーションに俺は頭が混乱した

「どうだ、うちの娘美人だろう。いや、娘がこの近所で勤めてるもんでな。
たまたまさっき連絡あったから一緒にどうだって誘ってみたんだ。
かまわんだろ?」

「も、もちろんです!」

恋愛経験の少ない俺は既に娘さんに一目ぼれしていた


90: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 16:58:42.12 ID:YHxBoU9X0

後に聞いた話だが、この時は本当にたまたまだったそうだ
特に俺に紹介しようと思った訳じゃなかったらしい

俺はてっきり娘さんを紹介するために呼んだと勘違いしていた

帰り際 部長が俺に向かって
「俺の娘に手出したら、お前を殺してやるからな。」
 と言われた

「わかってますよ部長。俺も義父が部長だなんて嫌ですから。」

と言いつつ
部長がトイレに行った隙に、携帯番号を書いた名刺を娘さんにコソッと渡していた

「今日は楽しかったです。よろしければ連絡ください。」と言って。


91: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 17:00:26.44 ID:YHxBoU9X0

もちろん次の日に連絡がきた
何度か部長には内緒で食事をした
晴れて部長の娘さんとの交際がスタートしたんだ

俺は部長に報告した
「お前を殺してやる!!!」と言っていたが、なんとなく喜んでくれてるみたいだった

親父にも報告した
「おう、部長がお前を殺すって騒いでたぞ、その事か。」

部長は本気だったみたいだ


92: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 17:03:35.00 ID:YHxBoU9X0

話飛ぶが(早く終わらせたい)

交際は順調に進んでいき結婚する事になった

「部長、今まで息子のように可愛がって頂きましたが、これからは
本当の息子にならせて下さい。娘さんを必ず幸せにします。」

部長は
「幸せに出来なかったら殺してやる。」と言って了承してくれた


結婚式でも部長は、酔っぱらって泣きながら俺を殺してやるって騒いでたよ


93: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 17:06:52.37 ID:YHxBoU9X0

親父は俺たちに子供が生まれた頃から変化していった
初孫という事もあるが異常なほど孫を可愛がってくれた

毎日、飲み歩いてた親父が孫が来る日は必ず家で待っていた
ゴルフもやめ休みになると孫を連れて遊びに行った

今まで険しい表情の親父しか見た事なかったが、
だんだんと優しいお爺ちゃんの顔になっていったんだ

息子としては嬉しかった
本当の親父はこんなに優しいんだって思えた

ずっと苦労してきて、俺たちのため、従業員のために気を張って
一生懸命頑張ってきた親父がようやく一息つける時が来たんだろう


94: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 17:09:54.98 ID:lWS+rTrl0

支援


95: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 17:11:08.25 ID:YHxBoU9X0

俺は還暦を迎えた親父に引退を勧めたが、
「俺はこの仕事でこうやって生活させてもらってる。だから最期の最後まで
恩返しする。」
と言って聞かなかった
まだ俺が頼りなかったってのもあると思う

しかし俺は、どうも最近の親父はおかしいと思い始めてたんだ
変な咳するし、どんどん痩せていってるし、外に遊びに行く事も極端に減った

ただ孫と遊びたいからじゃないと俺は思っていた

病院嫌いな親父はここ数年検査すら受けてない
俺は何度も病院行ってくれと言ったが、大丈夫だと拒んできた


96: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 17:11:31.49 ID:Pzn8WrGM0

泣ける


97: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 17:15:29.57 ID:YHxBoU9X0

とうとう去年の夏に親父は倒れた
もう癌が全身に転移していて、手遅れだった
あっけなく余命3カ月を言い渡された

これからもっともっと自分の時間を過ごしてもらって
母とふたりでゆっくり老後を楽しんで欲しかったのに

これから親孝行しようと思ってたのに
3か月しか残されてないなんて

振り返ってみると俺は常に親父の決めてくれたレールの上を通ってきた
脱線もしばしばあったが、俺は親父なしでは何も決められなかった

親父の導きがなければ俺はアホ街道まっしぐらだっただろう

俺はとてつもない悲しみと不安に包まれた


98: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 17:17:36.64 ID:Pzn8WrGM0

読んでるぞ


100: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 17:20:28.59 ID:YHxBoU9X0

親父ともっと過ごしたい
もっと教わりたい
一回ぐらい褒められたい
親父を喜ばせたい
妹の結婚式ぐらい出させてあげたい
二人で酒を呑みたい

俺は親父に全部言ってやった
そして「死ぬ前に全部やってくれ」と言った


親父の外出許可がおりた日、二人で居酒屋に入った
初めて親父と二人で乾杯した
乾杯したとたん俺は泣いてしまった
嬉しさと悲しさといろんな感情が一気に押し寄せた
親父は黙って俺が泣きやむまで見ててくれた


101: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 17:28:26.99 ID:YHxBoU9X0

親父はゆっくりと話し出した
「俺はただがむしゃらに走ってきた。お前たちが小さい頃は仕事ばっかりで
全然見てやれなかったな。悪かった。けどお前も妹も立派に育ってくれた。
全てかーちゃんのお陰だよ。かーちゃんは大変だったと思う。感謝してる。
お前は会社を継げ。お前になら任せてもいい。俺はずっとお前を見てきた。」

俺はまた涙があふれてきた

「お前ももう子供も出来て、立派な父親だ。家庭を大事にしろよ。
部長に殺されるぞ。俺が死んだら・・かーちゃん頼んだぞ。妹の結婚式はでれんが、
お前がちゃんとしてやれ。いいか、変な男には絶対やるなよ。」

「あとなんだ?
  ああ、言いたくなかったがお前は最高の息子だ。とーちゃん自慢の息子だ。」

病院に戻ると母が付き添いの為、病室に来ていた

「あら、二人とも良い顔してるね」って言ってくれた


102: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 17:31:55.39 ID:YHxBoU9X0

親父は約1年間の闘病の末、家族全員が見守る中静かに息を引き取った

最期の言葉は
「じゃあ逝くぞ・・・」だった

享年64歳 ・・若すぎるよ


103: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 17:34:32.43 ID:YHxBoU9X0

俺は葬儀の準備の為 一度実家に母を連れて戻った

母は俺に小さな包みを渡してきた

中を見ると現金がぎっしり詰まっている

中に1枚の紙が入っていた

懐かしい300万円の借用書だった

20年前の借用書の1番下に
 
「*上記金額を滞りなく完済した場合、600万円を贈呈する」

と親父の手書きで追記されていた

あのときの300万円が2倍になって還ってきた


104: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 17:37:29.06 ID:YHxBoU9X0

俺はそのお金を葬儀代とお墓の建設費に充てさせてもらった

この前一周忌を終え親父は今そのお墓で眠っている

俺は親父が作った会社の社長に就任した

社長室は使っていない

毎日掃除はしているが、まだまだ俺が座れるイスではないようだ

結局、親父に追いつくことはできなかったが、これからも追い続ける

これから母と妹、家族を俺は背負って生きていく

親父ありがとう、あとは任せてくれ

親父みたいな親父になるよ


終わります


105: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 17:37:40.66 ID:Pzn8WrGM0

いい親父だな。


107: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 17:40:47.84 ID:cJ3IpkE30

いい話だ
家庭に恵まれてたのは否めないがその努力は誰にでもできるもんじゃないからな


110: 名も無き被検体774号+ 2013/09/18(水) 17:45:07.89 ID:cikeX3o20

泣いた。
家族を大切にして仕事もよりいっそう頑張ろうと思った。


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